○津山圏域消防組合職員のハラスメント防止等に関する要綱
平成30年12月18日
津山圏域消防組合訓令第9号
(目的)
第1条 この要綱は、津山圏域消防組合職員服務に関する規程(平成3年津山圏域消防組合訓令第10号)第25条の規定により、職場におけるハラスメントの防止及び排除のための措置並びにハラスメントに起因する問題が生じた場合に適切に対応するための措置に関し、必要な事項を定め、職員が快適に働くことができる職場環境を実現することを目的とする。
(ハラスメントの定義)
第2条 ハラスメントとは、職場内外において、他者に対する発言や行動等によって、本人の意図には関係なく相手を不快にさせるなど、精神的・身体的な苦痛を与える行為であり、次の各号のとおり区分する。
(1) セクシュアル・ハラスメントとは、性的な言動により、その相手方である職員が不快感を示し、その職場環境を悪化させること。
(2) パワー・ハラスメントとは、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて不適切な言動又は相手の意思に反する言動で人格を傷つけ、勤務条件に不利益を与え、その相手方である職員の就労意識を低下させ、職場環境を悪化させること。
(3) マタニティ・ハラスメントとは、女性職員に対し、妊娠・出産を理由として、退職や雇い止めを促すなど、職場での精神的・肉体的な嫌がらせを行い、その職場環境を悪化させること。
(4) アルコール・ハラスメントとは、相手の望まない飲酒に関する言動であり、行為者が意図したか否かに関わらず、それによって相手に何らかの不利益又は不快感を与えること。
(5) パタニティ・ハラスメントとは、子育てに参加する男性職員に対して拒むような言動をすること。
(6) モラル・ハラスメントとは、個人が有する常識や社会的モラルを他人の意思に反して強要し、言葉や態度、身振りや文書によってその相手の人格や尊厳を傷つけることで、その職場環境を悪化させること。
2 前項各号において、職権を背景にしない行為も含むものとする。
(適用範囲)
第3条 この要綱は、原則として職員同士の関係において生じた問題に適用する。
(職員の責務)
第4条 職員は、ハラスメントが個人としての尊厳や名誉を不当に傷つけ、勤労意欲の低下や職場環境の悪化を招き、ひいては本組合行政の円滑な運営を阻害するものであることを自覚し、職員がそれぞれの人権を尊重し、業務を遂行できるよう努めなければならない。
(所属長の責務)
第5条 所属長は、職員がその能力を十分に発揮できるような勤務環境を確保するため、ハラスメントの防止及び排除に努めるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に必要な措置を講じなければならない。この場合において、ハラスメントに対する職員の対応に起因して当該職員が職場において不利益を受けることがないよう配慮しなければならない。
(相談及び通報窓口の設置)
第6条 ハラスメントに関する相談及び通報に対応するため、消防本部総務課に相談・通報窓口を設置する。
2 消防本部総務課長は、相談及び通報を受ける職員(以下「相談員」という。)数名を総務課内に配置する。
3 第1項に規定する窓口のほか、津山市総務部人事課に相談・通報窓口を設置する。
2 相談員は、前項の規定による相談及び通報の申出を受け付けたときは、当事者(当該ハラスメントを行ったとされる者(以下「行為者」という。)及び被害者をいう。以下同じ。)及び関係者から事情を聴取し事実関係を確認するとともに、当該相談の円滑かつ公正な解決が図れるよう必要に応じて指導、助言等を行うものとする。この場合において、相談員は、事情聴取により確認した事項及び指導、助言等を行った内容を、津山圏域消防組合ハラスメント事情聴取等記録簿(様式第2号)に記録するものとする。なお、相談及び通報に関わる事情の聴取は、原則として面談により行うものとするが、これに寄りがたい場合は、電話及び電子メール等により行うことができるものとする。
5 相談員は、ハラスメントが生じている場合だけでなく、ハラスメントを未然に防止する観点から、その発生のおそれがある場合又はハラスメントに該当するか否か明確でない事案についても、相談等として受け付けるものとする。
6 相談員は、相談及び通報を受けた場合の処理マニュアル(別記第1)に定める事項に留意し聴取等を行うものとする。
7 相談員の事情聴取が困難な状況が発生した場合、又は前条に規定する者からの要請があった場合は、総務課長が他の相談員に変更することができる。
(ハラスメント対応委員会)
第9条 ハラスメントに関する相談及び通報について審議し公正かつ適正な処理を行うこと並びにハラスメント施策の推進について審議等するため、ハラスメント対応委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会は、次に掲げる事項を所掌する。
(1) ハラスメントに関する苦情等、事実関係を調査すること。
(2) ハラスメントが確認された場合又はそのおそれがある場合に、その対応策を消防長に提言すること。
(3) ハラスメントの防止等に関する施策を提言すること。
(4) ハラスメントに関する調査・研究を行うこと。
(5) 前各号に掲げるもののほか、委員会が必要と認める事項
3 委員会は、次に掲げる者により構成する。
(1) 消防本部参与又は次長の職にある者
(2) 消防長が指名する職員 2名
(3) 衛生管理者 2名
(4) 消防長が委嘱する者 2名
4 委員会は、必要に応じて、職員に対し委員会への出席を求めることができる。
5 委員会は、事実関係の調査等を行うため、関係者に聴取を行うことができる。
(委員会の組織)
第10条 委員会に委員長を置き、消防本部参与又は次長の職にある者をもって充てる。
2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
3 委員長が欠けるとき又は委員長に事故あるときは、委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。
4 委員長は、委員に調査を行わせるとともに、その結果の報告を求めることができる。
(委員会の会議)
第11条 委員会は、委員長が招集する。
2 委員会は、過半数以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
3 委員会の議事は、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
(プライバシーの保護)
第13条 ハラスメントに関する相談又は通報の処理を担当する職員及び委員は、関係者等のプライバシーの保護及び秘密の保護を徹底し、関係者等が不利益な取扱いを受けないように留意しなければならない。職員及び委員がその職を退いた後も同様とする。
(人事管理上の措置)
第14条 消防長は、第9条第2項第2号の提言を受けた場合等で、必要があると認めるときは、速やかに次に掲げる措置を講ずるものとする。
(1) ハラスメントに係る悪質な事実が確認された場合は、懲戒審査会を設置し、必要に応じ行為者及びその所属長に対し、懲戒処分の指針に準じた措置を講ずるとともにその再発防止に努めるものとする。
(2) 事案の内容及び状況に応じ、行為者及び被害者間の改善に向けての援助、行為者及び被害者を引き離すための配置転換、行為者の謝罪、被害者の勤務条件上の不利益の回復等の措置を講じるとともにその結果をハラスメント被害における措置結果記録簿(様式第5号)に記録するものとする。
2 消防長は、第7条の規定による通報を受けた場合で、消防庁への情報提供が必要な事案については都道府県を通じて直ちに情報を提供するものとする。
(庶務)
第15条 委員会に関する庶務は、消防本部総務課において処理する。
(補則)
第16条 この要綱に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が定める。
付則
この要綱は、公布の日から施行する。
別記第1(第8条関係)
相談等を受けた場合の処理マニュアル
1 事態を悪化させないようにするために、可能な限り迅速に対応するとともに、被害者が悩み苦痛を感じていることが確認される場合には、例え言動が軽度なものであっても、行為者に状況を伝えて注意するなどきちんとした対応を図ること。
2 被害者から事実関係等を聴取するに当たっては、被害者が求めていること、また、被害者の心身の状態等にかんがみ、どの程度の時間的余裕があるのかについて把握すること。
3 事実関係については、次の事項を確認すること。
(1) 被害者と行為者の関係。
(2) 問題とされる言動が、いつ、どこで、どのように行われたか。
(3) 被害者は、行為者とされる者に対してどのような対応をとったか、また、行為者とされる者はどのような対応をとったか。
(4) 被害者は、その他どのような対応をとったか。なお、これらの事実を確認する場合、被害者が主張する内容については、当事者のみが知り得るものか、又は他に目撃者がいるのか把握すること。
4 原則として、行為者とされる者からも事実関係等を聴取する必要があること。ただし、ハラスメントが職場内で行われ比較的軽微なものであり、対応に時間的余裕がある場合などは、観察、指導による対応が適当な場合もあるので、その都度、適切な方法を選択して対応すること。なお、行為者とされる者から事実関係等を聴取するに当たっては、2及び3を参考にするとともに、加害者とされる者に対して十分な弁明の機会を与えること。
5 当事者間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実確認が十分にできないと認められる場合などは、第三者から事実関係等を聴取することも必要であり、聴取するに当たっては、2及び3を参考の上、適切に対応すること。
6 相談等を受けるに当たっては、相談内容が他の者に見聞きされないように遮断された場所において実施すること。
7 関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を厳守すること。
8 相談等について、具体的な措置を講ずる場合は、所属長等と相談の上、これを行うこと。
9 相談等を受けた場合の手続は、次のとおりとする。
(1) 相談等を受けた場合は、当事者から事情を聴取し、ハラスメント事情聴取等記録簿(様式第2号)に、内容等を記録すること。
(2) 所属での対応方法等を判断するために必要がある場合は、所属長等に相談すること。
(3) 相談等に関し、具体的にとられた対応については、被害者に説明すること。
(4) 相談員は、関係者等に事実確認等を行った時点又は解決に向けて相応の対応をした時点において、解決できないと判断した場合には、速やかに、委員会に報告するものとする。
(5) 相談員は、当該苦情等が誤解等によって生じた場合又は明らかに軽易な案件と認められる場合等で、当該相談員が当事者への指導、助言等により当該苦情等を解決することができた場合においては、委員会に報告しない。その場合、ハラスメント相談等対応結果記録簿(様式第3号)に問題処理のためにとった具体的な対応及びその結果等を記載すること。
様式 略